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靖 伊藤

AHPコンピテンシーコラム第115話

以前、朝の情報番組「がっちりマンデー」で浜松の「すごい人」が取り上げられていました。バネを作る際、物差し等を使わず、寸分違わず作り上げていく人やハーモニカの微妙な音の調整を何気なくしてしまう人、正に職聖のレベルの人たちです。それでは、彼らは始めからそのようなことが出来たのでしょうか?そうではありません。辛抱強く鍛錬を続けた結果、その域に達したのです。ただ、これらの鍛錬は漫然と行われたものではありません。始めは、無意識にやっていてなかなか出来ないレベルにあったのですが、先輩などから、何故そのようにしなければならないのか、どのようにやるのが良いのかを教わったり、盗んだりして覚え、それを常に意識して繰り返してきたのです。しかし、そうは言っても、それはすぐに出来たわけではありません。何度も何度も繰り返すことにより、意識して出来るレベルに達したのです。そして、その鍛錬はそれで終わるのではなく、それからも続けられます。それにより、無意識に出来るレベルに達しているのです。

これは正にコンピテンシーの習得と同じプロセスを辿っています。前回、紹介した「おもてなし」のコンピテンシーも同じで、最初から出来る人はごく少数であり、多くの人は先輩等から考え方とやり方を教わったり、盗んだりして覚え、それを何度も繰り返すことによって、無意識に出来るレベルに達するようになっていきます。ただ言われた事を漫然とするのではなく、それをしなければならない意味を常に考え、意識して行動として繰り返していくことこそがコンピテンシーを高める唯一の方法と考える次第です。

 

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