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靖 伊藤

AHPコンピテンシーコラム第137話

三ノ宮にあるカツ丼のお店があります。この店は11時半を過ぎるといつも行列ができています。

この店が繁盛しているのは勿論、カツ丼が美味しい事もありますが、行列の割に早く席について食べることができるのもあるかもしれません。そのキーになるのが、一人の女性店員さんではないかと思います。彼女はカウンターの中で最も券売機に近いところにいて、常にお客様と中にいる店員さんの動きを観察しています。私が券を渡すと、「ネギ抜きですか」と尋ねてきました。皆に訊いているのかと思って見ているとそうではありません。私が券を渡すとき、声をかけたので、ひょっとするとそうかもしれないと思って訊いてきたようでした。今迄のお客様の中でそのように人がいたようです。私が入ってすぐ行列ができ始めると、適宜、中の店員さんに対して、「今、○人です」と声をかけています。ソースかつ丼のキャベツの量が少なくなってくると、すぐに補充をしています。カツ丼が出来上がりそうになると、一緒に出す赤だしの準備をしています。これらの動きが非常にスムーズでお客様の回転率も非常に良いように感じられました。

彼女の行動をコンピテンシーの観点で見ていますと、先ずは、『顧客思考力』は「顧客の言葉だけでなく、様子や雰囲気から、相手が求めているものや不満な点を敏感に察知し、対応している」レベルの発揮が見られます。また、組織全体や、他のチームメンバーのことを考え、協力し合いながらチーム全体の目標を達成していく能力である『チームワーク』は「殆どの場合に、自ら進んで他のチームメンバーに協力している」レベルの発揮が見られます。

お客様の回転率を挙げる力は昼食を提供するお店の原動力です。一見、当たり前に見られるこのような行動が常に自然体で出来る人がコンピテンシーの高い人と言えるのではないかと感じた次第です。

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