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靖 伊藤

AHPコンピテンシーコラム第140話

以前、ある情報番組で、ターゲット顧客を絞って、マニアックな商品を作成している会社が紹介されていました。この会社は顧客の声を聞いて、新製品を開発する際、既製品の組み合わせで一週間足らずで試作品を作り上げてしまうそうです。元々は金属の磨きやメッキを行っていましたが、お客様といろいろ話をし、それに対応していくうちに、今の業態に変化していったそうです。商品の開発担当者の話では、細かなお客様の声に応えることが重要で、4件程度しかそのような声がない場合でも、施策を行うそうです。その訳は、4件の声の裏に潜在的なニーズがあるというもので、実際にそのような商品が実績を上げているとのことでした。

ここでは、この細かな声に応えて、実績につなげている商品開発者の顧客志向力のコンピテンシーにスポットを当ててみたいと思います。

顧客志向力のコンピテンシーは、「直接に顧客に接し、顧客が求めているものを、敏感に且つ正確に把握し、対応していく能力」です。この商品開発担当者は、「直接多くの顧客に接することで顧客ニーズの一般的な変化や兆候を敏感に感じ取り、その変化や兆候への対応を継続的に考案し自ら実行している」レベルが発揮していると考えます。特に、ここで重要なのは、顕在化しているニーズだけに捉われず、潜在的なニーズに着目している点です。商品開発は時間と金がかかるため、ややもするとニーズがはっきりしているものだけを対象としてしまいがちですが、この担当者は、既製品の組み合わせという手段を用いることで、時間と金をあまりかけずに数多くの新商品の開発につなげていることが特筆に値すると考えた次第です。

 

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