日常で気がついたコンピテンシー。 今回は論理構成をまとめる上で、重要な点をもう少し詳しくお話したいと思います。
人をその気にさせる為には、聞いていて「なるほど」と思わせる事が必要です。話し手の話の内容がある点だけに偏っていると、「それ以外の事を考えなくてもいいの?」と不安になります。
このように「考えや議論を進める上での筋道、思考や議論の組み立てに基づいて考え、明確な筋道を立てて考えること。」を論理的思考と言います。論理的思考を進めるためには、話している内容について、抜け洩れのない情報を有していて、それらの情報をただ羅列するのではなく、情報間の因果関係を明確にした上で、事柄の本質をきちんと把握していることが重要になります。論理的思考には、「世の中に実在する事実を述べた上で、その事実に関連する状況を述べ、次に二つの情報が意味することを解釈し、結論とする」演繹法と「観察される複数の事象の共通点を見つけて、着目したそれら共通点からルールを想像する」帰納法があります。帰納法は経験知を総合することで、一つの結論を出すことができますが、経験知がないと、動きが取れないという弱点があります。一方、演繹法は論理の組み立てで結論を出しますので、経験知がなくても結論を導き出す事ができますが、最初の論理に誤りがあると、間違った方向に進んでしまう危険性があります。よって、これらの2つの方法をバランスよく使っていくことが求められます。
話し手が本質をきちんと把握している事を知ると聴き手は安心して、話し手がそれに対して、どのような策を打とうとしているかということに興味を持ちます。よって、話し手が次に用意すべき事は事の本質(根本的な原因ともいうことができますが)に対する有効な解決策と、それを話し手自身が中心となって、実行していく活動計画の2つということになります。
今まで述べた内容をPREP法という形でまとめていくと、聴き手に対して有効な構成になります。PREPとはPoint(ポイント)-Reason(理由/背景)-Example(例示)-Point(再度ポイント)の頭文字をとったものです。最初にポイント(結論)を端的に述べ、次に結論に繋がる背景を述べます。ここの論理的思考が必要になります。但し、人は理論だけでは「本当にそう?」と疑念を抱く事があります。例示はこの疑念を振り払うために有効に働きます。そして、最後にポイントを繰り返すのですが、このポイントの繰り返しがないと、「結局、彼が言いたいのは何?」というような事にもなりかねません。最後にポイントを繰り返すことで、聴き手は話し手が主張したい事を理解することが容易になるのです。
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